第5章 風車小屋に隠された秘密〜ダリ村〜
とりあえず、ビビを無事救い出すことができて安心した。
だからもう一つ目的があるんだってこと、私はすっかり忘れてた。
「ところで、ビビに頼みがあるんだ。奥をちょっと調べていきたいんだよ。ビビはイヤかもしれないけど……」
そうだった。
思い出したかのようにゴウンと鳴る重音の存在を感じて、あのアレクサンドリア城にもあったらしい樽の模様を思い浮かべた。
この機械と、アレクサンドリアと……もし繋がりがあるのならば、それはとっても怪しい気がする。
「……ジタン、ボクもここがなんなのか知りたい。あれが……なんだかとても気になるんだ」
ビビは機械を指さす。
私達は顔を見合わせると、音の鳴る機械へと近づいた。
私の身長よりも大きいその機械はレールのようなものが取り付けられていて、ボコンッボコンッとバスケットボールほどの丸いなにかが一定間隔で産まれ出てくる。
「こいつは……タマゴ……か?」
白地に紫や茶色が混じったボールのような、タマゴのような……これはいったいなんなんだろう。
『この機械が作っているのかしら?』
タマゴが出てくるとき、機械が白いモヤのようなものも一緒に吐き出しているけど、これは……。
「霧機関ってわけじゃなさそうだけど、機械からでてくるのは“霧”みたいだな……」
「霧って……私達が歩いてきた、あの洞窟の下の?」
「ああ、多分……」