第5章 風車小屋に隠された秘密〜ダリ村〜
たわいない話をジタンとしていて、十数分。
「ビビ帰ってこないね」
いつまで待ってもビビが帰ってこない。
ジタンは私よりも先にビビに声をかけたらしいし、少し遅すぎる。
「そうだな、遅すぎる」
ジタンも窓の外を気にする。
「スタイナーのおっさんはともかく、ビビが戻らないのは変だな」
「探しに行ったほうがいいかな?」
なんかだんだん心配になってきた。
ビビかわいいからな。
誘拐とかされてないよね?
「そうだな……よし、ビビを探しに行こう」
いくら小さな村であろうと、闇雲に探すのは効率的ではないので、ジタンがビビを最後に見たという場所にやってきた。
「ビビにはここで声をかけたんだ」
風車小屋の前。
カラカラと風車の回る音が響く。
村に着いた時にも風車が気になっているみたいだったし、ビビはそれを見ていたんだろう。
「ビビはここにチョコボがいるって言ってたんだ」
「チョコボ?」
チョコボって何だろう?
ジタンに尋ねようとして。
「シクシク……」
どこからか泣き声が聞こえた。