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【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから

第6章 突然の依頼


「アイドルが……舞台演劇の……主役……」
 ーー今、流行っている舞台にアイドルが主役で参加するとなれば、きっとファンの子たちはみんな喜ぶことだろう。
「……とても、いいと思います」
 目の前にいる社長はにっこりと笑った。
「あなたなら、そう言ってくれると思いました!」
 社長はバレリーナのように両腕を上に伸ばして、クルリと一周回った。
「それでは! あなたに仕事の依頼デース!」
 ビシッと指を刺され、思わず仰反る。
「あなたに3つ! 舞台の劇中歌を作ってもらいマース!」
「み、3つ!?」
「そうデース!」
 社長はクルクルと上機嫌に回っている。
「舞台テーマもメンバーもこちらで既に決まっていマース! 後はあなたが作るだけデース!」
 回転がいきなり止まり、再び指を差される。
「ま、待ってください!」
 私は思わず、社長に反論した。
「シャイニング事務所で行う舞台なら、シャイニング事務所に所属している作詞作曲家を使用するべきです! わざわざ、事務所を辞めた私に依頼しなくても……」
「Ms.水野!」
 大きな声で自分の言いたいことを遮られた。
「今、シャイニング事務所に所属している作詞作曲家たちは次にリリースされる曲作りで精一杯なのデース!」
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