• テキストサイズ

【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから

第4章 自分の想いと彼の願い


「え、蘭丸くん……」
「嶺二が桜さんのことを呼んでいたなんて知らなくて……桜さんに嫌な思いさせちまって……」
 蘭丸くんは頭を下げたまま、言葉を続けた。
「そんなの……私の方が……」
「俺は、桜さんが頑なに事務所に戻って来たくない理由がわかんねェ」
「……」
 私は蘭丸くんの予想外の言葉に固まってしまった。
「あの時だってそうだ。『QUARTET★NIGHT』を5人で作って、『ポワゾンKiss』を桜さんが作ってくれた。人気も出てきて、これからだって時に……事務所を辞めるって桜さんが言い出して……」
「……」
 私は目を細めた。
「あの時、嶺二となんかあったんですか?」
「……何もないわ」
 これは本当のことだ。嶺二とはパートナーとは言っても、お互いに何かあるわけではなかった。
「……じゃあ、何で辞めたんですか?」
 蘭丸くんはまっすぐな瞳で私を見つめる。彼は昔から本当に変わらない。
「……耐えられなくなったの。私が」
「桜さんが?」
 私は頷いた。
「……こんなこと言うのは、蘭丸くんに失礼だと思う。でも……私は嶺二が他の人とグループで活動している姿を見ていられなかったの……」
「……どういうことですか?」
/ 70ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp