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【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから

第1章 輝いている彼


「……きっと」

 麗奈さんは私の隣で、私の持っているグッズをじっと見つめた。その顔に驚いている様子は伺えなかった。

「きっと、それだけ嶺ちゃんのことが好きってことよね」

 麗奈さんはニコッと笑って、私と目を合わせて話をする。その言動に少しドキッとした。

「推しが来いと思えば思う程、その人の元にはグッズが来ないって良く言われてる話だけど……その思いすらも通り越して、大好きなのであればちゃんと運は回って来ると私は思ってるの。持論だけどね」

「……」

 私は黙って麗奈さんの話を聞くことしかできなかった。

「それに、桜ちゃんの格好……嶺ちゃんがこの前、CMで着てた服と似てる……」

「あ……これは……」

 他の女の子たちがワンピースやスカートを履いていることが多い中、私の格好は白いブラウスに紺色のガウチョパンツに靴は黒色のスニーカーを履いているというちょっと地味なものだった。ネックレスやヘアアクセサリーの色が緑なので、一応嶺二推しとわかるようにはなっているが……実はこの格好はとあるファッションブランドのCMで嶺二が着ていた男性用のコーディネートと対になっている。そのことに気付く人はそうそういない。
 
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