第1章 輝いている彼

「た、たまたまで……」

「そんなこと言わなくてもいいのよ。ペアルックみたいでとても素敵だわ」

　意識してないと言ったら嘘になってしまう。意識した。ライブの参戦服を考えた時に、この格好が可愛いし、年齢にも見合っていると思った。

「ただ、CMが公開されたばかりなのにその格好をして来たってことは嶺ちゃんのことが本当に好きなんだなって思ったの。ちゃんとヲタ活をしてないと難しいことだし、気にしてないと古参でも見逃してしまうことよ？」

　もっと嶺ちゃんのことが好きって気持ちに正直になってもいいと思うわ、と麗奈さんは付け足した。

「……うん……ありがとう」

　私は麗奈さんの真っ直ぐな気持ちと瞳に答えられず、少し俯いてお礼を言うのが精一杯だった。

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