【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから
第1章 輝いている彼
「え……?」
まさか話しかけられるなんて思いもしなかったから、変な声を出してしまった。
「開けないと、誰のが入ってるかわからないわよ? 嶺ちゃん、当てなきゃね」
ふわりと優しく微笑んだ麗奈さんは本当にとても綺麗で、思わず見惚れてしまう。何もしなくても、目が切長気味で長い黒髪ストレートなので、大人美人な感じで十分綺麗なのだが……。
「は、はい!」
「それと、敬語は使わないで。私たち、みんな同い年なんだから」
「え……」
目を細めて笑っている麗奈さんはどう考えても年上にしか見えない。とても落ち着いているし、雰囲気ももっと年上の女性な感じがする。この人が……同い年……?
「本当よ? 私も24歳」
少し苦笑しながら、麗奈さんは口元に手を当てた。怒らずに笑ってくれているけど、よく間違えられるのだろうか……? それでも、同い年の人に間違えられるなんて、少し傷付くし落ち込むよな……。
「24歳で若い子みたいに張り切ってるのも悪くないでしょ?」
私は思わず少し口を開けてポカーンとしてしまったが、麗奈さんの言う通りだと思う。推しを推すのに年齢は関係ない。歳を取っても、色褪せないものは誰にでもあるのだから。
その後、私も美雪と同様にトレーディンググッズの袋を開封してみた。