【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから
第1章 輝いている彼
美雪は涙目になりながら、Twitterでグッズの代行をしてくれる人を探している。私は美雪以外で、そこまで親しいカルナイファンの友達がいないから、何もできずに列が進むのを待つしかできない。
(それにしても……)
ここに来ている人たちはQUARTET NIGHTの4人のことが大好きで、好きな人たちに会うために、あるいはグッズを買うために、わざわざ休日の朝まだ早い時間にここまで来て、手間なのに列に並んで待っている……そんなこと……。
(本当に好きじゃないとできないよね……)
最終的には自分のためなのかもしれないが……誰かのために、こんなに一途になれるくらい好きで、グッズを買うのに朝早く起きて必死になって並んで、ライブに行くためにわざわざCDを買って、抽選結果をドキドキしながら待って……彼らは、とても幸せだと思う。
「桜!」
そんなことを考えていると、隣で絶望を感じながらも一縷の望みに賭けて、必死に代行を探していた美雪が声を掛けて来た。その声はとても明るく、顔も嬉しそうに笑っている。
「どうしたの?」
「Twitterで繋がっている友達が代理で買ってくれるって! 列も動き始めて、もうすぐ買えるからいいよって言ってくれた!」