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【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから

第1章 輝いている彼


 美雪は顔はとても嬉しそうに笑っているが、目には薄らと涙を浮かべている。一時はグッズを買うことを諦めていただけに、嬉しさが半端ない。

「本当!? 美雪、良かったね!」

「うん!」

 私は美雪と一緒になって喜んだ。私も美雪ほどではなかったが、少なからずグッズを買えないかもしれないとショックを受けていた。美雪ほど、ライブに対して本気で臨むわけではないが、ペンライトくらいは欲しい。ライブだもの。

「桜は? 何か買いたい物ある? あったらお願いするけど……」

「私? 私は……そうだな……」

 美雪がグッズ一覧の写真を見せてくれた。彼女のスマホを見ながら、ライブで何が必要か考える。
 そう言えば、何のグッズを買うかなんて、ペンライトくらいしかちゃんと考えてなかった……他に何かいるかな……?

「ペンライトは買うよね?」

「うん、ペンライトは欲しいな」

「バングルライトは?」

「うーん……バングルライトはいいかな……」

「あ! 嶺ちゃんのビッグタオルあるよ!」

「……めっちゃ大きいじゃん……」

 代行が見つかったこともあってか、2人ともテンションが高くなって、散々あーだこーだ騒いだ結果、最終的にちょっと寒かったのでカーディガンとライブに行ったら大体買っているマフラータオル、それからトレーディングチャームとペンライトを代行の人にお願いした。全部合わせて、計13000円。
 
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