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【うたの☆プリンスさまっ♪】あなたの全てが好きだから

第1章 輝いている彼


「結構並んでる……」

 思ったよりも広い会場を囲むように物販の列が整備されている。最後尾は遥か彼方。
 私の隣で美雪が目を潤ませて泣きそうになりながら、目の前の光景を見て呆然と立ち尽くしている。私も彼女と同じく、その場からしばらく動くことができなかった。

「もう少し早い新幹線に乗ればよかったね……」

「そうだね……」

 今更そんなことを言っても仕方がないが……こうなることは大方予想がついていたのだから、それを踏まえて新幹線の時間を前倒しにしておけばよかったと後悔してもしきれない。

「あーあ、グッズ……売り切れにならないといいんだけど……」

 列の最後尾へ移動しながら、美雪はスマホで今回のライブのグッズを検索している。
 シャイニング事務所は数々のアイドルグループを抱えており、ファンが多い。そのため、ライブが当たらなかった人もグッズだけは買いに来ることが多い。そのため、物販が開始してから1〜2時間くらいでグッズの大半が売り切れてしまう。

「そうだね……この前のST☆RISHとの合同ライブは今と同じくらいの時間に来て、ギリギリで買えたもんね……」

「そうなんだよ! この前はスタリもいたからファンの子の人数は多かったけど、もしかしたら残ってるかも……って思えたのに……今回はカルナイだけでこの人数だよ!?」
 
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