第3章 雪解け
「あんた彼女がいなくなった寂しさで言ってない?」
「言ってませんよ。」
「100%?」
「・・・95%ぐらい?」
「素直でよろしい。」
「あぁもう、はぐらかさないでくださいよ。」
「ごめん逃げた。続きどうぞ。」
「だーかーらー、愛してるんですってば。」
「・・・愛してるって何よ。」
「んー・・・相手を尊重するとか、幸せを願うとか?」
「素敵ね。感激しちゃう。」
「俺、香苗さんには幸せになって欲しいんです。」
「つまりあたしが原田と付き合ったら幸せになれると。」
「幸せに出来るって確約は出来ないですけど、少なくとも今よりは幸せに出来ますよ。」
「あー、そりゃそうかもね。」
「で、いかがです?」
「・・・幸せにしてくれるの?」
「頑張ります。」
「元カノさんより好き?」
「もちろん。」
「世界中の誰よりも?」
「香苗さんを愛してます。」
鼻をすする音が聞こえた。
「返事なんて出来ないよ。」