第3章 雪解け
「あの日の俺、本当にサイテーな事したんですね。」
「・・・そうね。」
「殺したいほど怒らせたんでしょうね。」
「さすがに可愛い後輩を殺すなんて出来ませんよー。」
「そりゃよかったです。」
「確かに怒ったよ。怒りすぎて笑ったぐらい。」
「ごめんなさい。」
「次の日に寄り戻しましたって笑顔で来た時とか、顔面に右ストレート出してやろうかと思った。」
「うおぉ・・・顔が変形しちゃう・・・。」
「でもさ。」
「でも?」
「家に行ったり頭撫でたり、思わせぶりな事したあたしも悪いの。」
「あ、分かってました?」
「あんたホントむかつく。」
「はははっ、すいません。」
「右ストレートからの左アッパーからの金蹴りコースで行きましょうか。」
「やめてください本当に死んでしまいます。」
「1回死ねば?」
「香苗さん声がマジです。」
「冗談だから安心して。」
「ホントかなぁ。」
「本音言うなら、利き手をシュレッダーに挟まれて血だらけになればいいぐらいは思ってる。」
「やめてください怖いです。死ねとかよりよっぽど怖い。」
「冗談だよ。」
「あれ?また本音がどっかに消えましたよ?」
「・・・ごめん。ちゃんと話し合おう。」
機械がうめいた。