第2章 極寒
ストーカーに抱かれた翌朝、どうにか自宅に帰った香苗は、当然すぐさま恋人に連絡した。
ボロボロだった。
話すのも苦痛だった。
それでも香苗はどうにか恋人に事情を話した。
「お前が悪い。」
恋人の言葉はそれだけだった。
「俺は訴えようって言ってたのに。香苗は家までのこのこついて行ったんだろ?」
その通りだった。
何も言い返せなかった。
何もかもが怖かった。
「罰として俺にも抱かせろ。生で。」
信じられなかった。
この人も自分を愛しているはずなのに。
悪気も無く、そういう「プレイ」として、ストーカー以上に自分を傷付けて来るだなんて。
「・・・はい。」
それでも香苗には拒否することなど出来なかった。
自分を責め続けた。
そうか、みんなが考えている事が正しいんだ。
あたしの考えている事は全部間違いなんだ。
あたしは罰せられてしかるべきなんだ。
誰にどう抱かれても、何も文句なんて言えないんだ。
あたしが全部悪いんだ。
あたしが、あたしが、あたしが。
そして数日後、別れを告げられた。