第2章 極寒
「その後の事は、あんたにも話したでしょ・・・?」
香苗は大きく息を吐くと、疲れた様子で椅子に沈み込んだ。
涙を止める事も拭う事も香苗には出来なかった。
目から溢れた涙は、音も無く床に落ちた。
もうどれだけ泣いて来たんだろう。
そんな事を考えても、香苗にとっては無意味でしかない。
啓太も涙を止められなかった。
手は涙で濡れ、乾く事が無かった。
2人とも悲しくて仕方が無かった。
その後の結末を香苗が口に出来ないほどに。
部外者の啓太でも説明出来ないほどに。
ぽっかり空いた空虚を埋めるように、機械がカタカタと乾いた音を立てた。