第2章 極寒
「俺と付き合わなくて良い。あいつと別れて。」
授業後の教室で頼み込んで来るストーカーの、この言葉で限界が来た。
「もう会いたくありません。」
強く拒否したら、ストーカーは近くの壁を力の限り殴った。
手から血が出ていた。
泣いてしがみつかれた。
頭も体も動かなかった。
拒んだらもっと傷付けてしまう。
傷付いたこの人は何をしだすか分からない。
ストーカーの家まで力任せに引きずられても、あたしは黙って従うしかなかった。
「部屋で押し倒された時、あたしは泣いて嫌だって言った!それでもあの人はあたしを抱いた!」
全ては君の事を愛しているからだと!
愛しているから抱いてしまうのは仕方ないとでも言うように!