第2章 極寒
香苗が自嘲気味に笑う。
あんたを汚したく無いのにな。あの日と同じ事を思う。
「あたしは悪い女なんだよ?」
啓太の眉間に皺が寄った。
「あたしにはセフレが2人いるの。」
啓太の脳裏にあの日の会話が思い出された。
そういえば他に男がいると言っていたっけ。
まさかセフレって形で、しかも2人もいるとは思わなかったけれど。
衝撃で啓太は頭が重く感じられた。
「両方とも元彼。」
香苗の追撃。
「2人ともあたしを愛してない。あたしも2人を愛してない。」
啓太にはもう何が何だか分からなかった。
「だから原田とした事も、あたしにとってはその程度のもんなのよ。」
頭が痛くて痛くて仕方なかった。