第1章 冬
「本当にごめんなさい。」
啓太の謝罪は止まる事無く進む。
「ずーっと謝りたかったんです。」
あの日強引に香苗さんを抱いた事。
彼女から寄りを戻すメールが来た途端、都合良く追い返すようなまねをしてしまった事。
俺が傷付けたのに、それに気付かず馬鹿みたいに香苗さんに話しかけに行った事。
「ごめ・・・なさっ・・・!」
恐怖で嗚咽が漏れた。
香苗さんの顔が見れなかった。
きっと香苗さんは、あんな事をしてきた俺の事なんて嫌いなはずだ。
なのに俺は。香苗さんが。
「俺、香苗さんが好きです・・・!」