第15章 rain of fondnessⅤ-6

同時に口腔を使って、舌を伸ばして、互いのものに愛撫することにさえ臍の奥が疼いてしまう。
好くされているから、自分も、その何倍も好くしてあげたい・・・。
自然にそう感じて、気が付けば必死に口含んでいた。

名無しはナッシュに陰部を指先で弄ばれ、入口に食いこまされた感触に腰をびくりとさせ、それを避ける様に下肢を横に振った。

口から零れたのは素直に、指なんかでは物足りないという本音も本音だった。
こんなことを漏らしてしまうほどには、耐えられないまでに求め待っていたものが既にあり、頭の中ではもうずっと、ナッシュが自分に侵入してくれることばかりを考えていたのだ。


満たしてくれるものは沢山ある。
けれど、繋がって、ぎゅっと抱き締め合うあの瞬間欲しさに乞うた願い。

時間も余裕もあるはずなのに、どこか切羽詰まったような焦りの声を名無しは囀る。

その声を聞き、ナッシュは自身の体をぐっと動かして、暫く続けていたシックスナインそのものを解くと、うつ伏せや四つん這いを強いていた彼女を寝かせ、またベッドへと泳がせた。


下から愛でるのも好い。

が、やはり組み伏せる瞬間もまた、自分はたまらなく大好きなのだと再確認しながら・・。




「まだ挿れねえよ・・――」


「・・ッ・・・――！！あ・・・、ッひ・・」


「・・・嘘だけどな」