rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第2章 rain of fondness2
「・・ッ・・・、ナッシュ・・」
初めて見る、自分には新鮮過ぎたナッシュがそこにいる。
耳にする歓声と罵声の入り混じり、立て続けに見ていたコートの中は、良し悪しはあれどパフォーマンスの連続だった。
袖を通す黒いユニホームは、彼の白い肌によく似合う。
足元のシューズも、同じ黒色のものを履いていることを初めて知った。
「・・・・・」
名無しがコートに到着したのは、ティップオフからは随分と過ぎた頃だった。
デジタル設備の整っていた掲示板が示していたのは、もうそろそろ、終わりが迫っているであろう時間。
スコアを見れば、ナッシュのユニホームに記されていたチームと同じ名が圧勝を刻んでおり、それはタイムアップの瞬間まで覆ることはなかった。
時折、卑劣に思えるプレイをメンバーそれぞれが顕示していても、名無しにはそれが心地好く思え、つくづく自分は、芯から捻じ曲がってしまっていたのだなと感じる。
完全にナッシュに染められていた所為だ・・・そしてそれが、今では当たり前になっていたのだから、恐ろしいったらなかった。
二週間。
触れられていない身体が、心の底からナッシュを渇望していた。