rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第11章 rain of fondnessⅤ-2
頭上で両腕の自由を奪っていたついでに脱がした、名無しのトップス。
肉厚な胸を覆った下着は、まずは捲るだけ。
露わにさせたふたつの房を、ナッシュはゆっくりと揉みしだいた。
指間に漏れる膨らみは淫猥で、施設の中で付けたものを除いた、そこに記していた自身の跡が消えていたことをわざとらしく嘆きながら、キスに続き、彼女の上半身に口付ける。
ナッシュが一度唇を窄めると、衣類で覆いようもない部位に鬱血を残されたことに対し、名無しは敏感になって声を上げた。
髪で隠れる首筋も、場所によっては限界があったのだ。
恥ずかしそうに足を竦ませて、けれど墓穴を掘ってしまった名無しは見事にナッシュの企みを誘い、彼に何度も何度も口先を襞寄せられた。
「あ・・、はぁ・・・ん・・!!ひ・・」
「ん・・・これか・・?」
「・・・ッ!あ・・・、も・・吸・・ないで・・・・、ナッシュ・・」
「・・・・・」
「っ・・・ナ・・、!!あ・・・」
「ハッ・・・好いんだろう?おまえは・・ん、・・・此処も弱くて、胸と同じように感じて・・・よく濡らす」
下着を奪うのはもう少し後にしてやろう・・・そう思っていたナッシュの考えを改めさせる程、既に所々赤く色付いた、名無しの姿は実に卑猥だった。
もっとしるしを付けてやりたいと感じさせたのだ。
ナッシュは彼女の背に手を伸ばすと、留め具を外してその下着を剥ぎ、流れのまま、スカートのファスナーも下ろした。
男の衣類のファスナーとは違えた薄い音もまた、想像を駆り立てる。
下ろしきった傍の隙間に指をかければ、そのスカートも脱がすまでだ。
「ん・・」
肌色の増した下着一枚の裸体を見下ろしながら、ナッシュは自身の唇を一度舐めずった。
このなめらかで曲線豊かな身体を再び自らの手で汚し、真っ白なそこには、自分だけが色を残せる――。
そう思っただけで、彼の下腹部は一層昂った。