rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第10章 rain of fondnessⅤ
「や・・、っ・・、ら・・・ぁ・・!ん・・・」
「ん・・・、はァ・・」
「ナッシュ・・・め、・・そんなに・・・また付・・」
「全部消えてたろ・・・まあ、もしも残ってたのなら、それもおかしな話だけどな」
「!・・・だめ・・首は・・・もう・・」
「・・・フッ・・、首以外ならいいんだな・・・?」
「ッ・・、・・んんっ」
玄関から、寝室以外に行くという筋書きはナッシュにはなかった。
気持ち程度の明るさに設定された照明がつけられて、見えたベッドに名無しが崩れるようにして押し倒されたのは、この部屋に来てからあっという間の出来事だった。
寝かされて、跳ねるスプリングの感触が懐かしく思える・・・自分のベッドとはまるで違った弾みなのだ。
暗いシーツの色も、横目に見る数少ない家具も、全体を見渡せば実にシンプルだった寝室も、何もかもが懐かしく感じられた。
「あ・・、ぁ・・・」
両腕を縫い付けるようにして名無しを拘束するナッシュは、再び彼女の唇を奪い、その内部にぐっと舌を伸ばした。
頬の内側も、上顎や歯列もなぞりながら、舌同士をダイレクトに絡み合わせれば、その瞬間に零す吐息がまた名無しの身体をよりうずうずと震えさせる。
頭を横に向かされ、もう既に舐められ足りていた筈であろう耳を愛でられて、そこでも聞こえたナッシュの息遣いに過敏に反応してしまうと、足りないのは自分も同じなのだと・・・そう示されている気がして、名無しは恥辱の表情を滲ませた。
「ん、ん・・・ぁ・・」
「此処も・・・あー・・フフッ・・・此処も。キレイさっぱり消えてやがる・・・」
「・・ん・・・ナッシュ・・!っん・・」
「・・・一生残せたら・・面白いと思わねえか?ん・・・」
「ッ・・・」
「まあ・・・消える度にまた残すだけだ・・。んっ・・・」