rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第10章 rain of fondnessⅤ
「ふ・・・、んん・・」
「ん・・・」
自分の寝具に背をつけることよりも何倍も心地好い。
長かった・・・二週間、それは字にするのも口にするのも簡単だけれど、身体で感じ、実際過ごすことのどんなに長かったか。
「ん・・・、はぁ・・」
「ッ・・・ナッシュ・・」
既に何度もその肌をなぞられ、身を委ねていようとも。
今の名無しにとっては、ナッシュのベッドで彼に抱かれることが、何よりも幸福に思えた。
『おまえはあっちだろう?ホームが逆じゃ・・、・・・!』
『・・・・・』
『・・・ハッ・・、オレのジョークがまだ通じねえようなら、この先思いやられるぜ?』
『ッ・・、う・・・・』
『せっかく解放されるチャンスがまわって来て・・・少し前なら、一目散で逃げる様に帰ってたじゃねえか。今日は帰らねえのか?』
『っもう・・、なら・・・一目散で帰・・!っ・・・』
『おい・・・分かったからそんなしょげた顔すんじゃねえよ。・・・帰ったところで、どうせ後悔するのはおまえだろう?・・・行くぜ。――オレは・・おまえを帰す気なんてねえよ』