rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第8章 rain of fondnessⅢ-2
「ん・・・ちゅ・・、はァ、・・ふ・・ンン・・!」
「ん――・・・はぁ・・、フッ・・・キモチイイか?・・・オレもだ――」
「ッ・・・!!ふ、ぁ・・んッ・・・」
「ずっと・・・おまえにこうしててえ・・気持ち好くてたまんねえ・・、名無し・・・」
「ナッシュ・・・、んんっ・・・」
結局また、名無しの気持ちは喉の奥へと押しやられ、胸の奥へと閉じ込められる。
そこに鍵をかけるかのように、ナッシュはもう何度も何度も交わしていたキスを、その場でも執拗に重ね続けた。
ひとつになって、絶え間なく律動を行って、それによる吐息の混ざった口吸いのどんなに卑猥でいやらしかったことか。
また時折味覚を感じてしょっぱさを覚えても、それはもう、彼女の涙ではなかった。
「ン・・ん・・・ッ・・ちゅ・・・」
ひどく絡み合う唾液、垂れ流したまま口含んだ汗の感触。
組み敷かれていたゆえ、激しさに耐えかねて目を閉じた名無しがふと、そっと両方のそれを開眼すると、ナッシュは同じように目を閉じていた。
黄色みを帯びたまぶたのラインに、繊細な長い睫毛。
瞳を見せれば綺麗な緑を持っている彼を、ほんの少し羨ましくさえ感じ、そこに抱くのは愛情以外のなにものでもなかった。
やがて名残惜しそうに唇が離れれば、近距離で重なったのは勿論互いの目。
太ましい指を彼女の耳のふちや中へと伸ばし、しっとりと撫で回しながら、ナッシュは静かに、名無しへ言葉を降らせた。
「・・・言ったろう?しらばっくれてるだけだ・・もう知ってる・・・。おまえを抱いてりゃ死ぬほど伝わってんだよ・・・」
「・・・っ・・、・・!あ・・・んぁ・・ッ・・、ナ・・」
「ン・・・ぁ・・、っぐ・・・・出すぜ・・ん、名無し・・あッ――」
「!ッ・・・ナッシュ・・や――・・ナ・・・ひ、・・ッん・・―――」