rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第8章 rain of fondnessⅢ-2
面と向き合ってはぁはぁと吐息を漏らす名無しは、ナッシュに跨ったまま、なんとか呼吸を整えようと、自らに冷静を舞い戻そうとした。
が、荒く息をする彼女のそれを自分の耳元で聞かされれば、いまだ陽物を膣に含ませていたナッシュにとって、それはまた煽りや挑発のように感じるだけだった。
名無しの尻と腰を抱き、ナッシュは座したベンチから一寸立ち上がる。
するとようやく、その見た目の上では彼が優位になれる体勢を描き、名無しは固い板の上に寝かされ、ナッシュに組み伏せられた。
「あ・・ッ、ア・・んん・・っ」
「・・ん・・・ッ、ああ・・いいぜ・・・おまえの・・ナカ・・、たまらねえ・・・」
「ッ・・・」
整えようとした息を乱され、足をM字のように開かされ、下半身からは、淫靡な音が途切れることなくじわじわと聞こえる。
名無しは寝かされてすぐ繋ぎとめられたままだった下腹部を圧し上げられて、その体勢ゆえ、ナッシュが自らも達く為に最後の律動を始めたことを感じ取った。
その腰の揺らつきはねちねちと淫猥で、腹筋や腸腰筋に垂れる汗がとてもいやらしい。
名無しもまた、最初に立ったまま二度達かされた時に比べれば、陰部への刺激は何倍にもましに思えていた。
けれど、他の体位とも異なる性感帯があるのだろう・・・体勢によって壁にあたる感触は少しずつ違えたのか、悦びの果て、陰唇が自然とナッシュにしつこく纏わりつく。
どうやらいいところに彼の先端が触れていたようで、名無しはどうしようもなく口を開き、結局、ツンと高い声音を吐き散らした。
嬌声のなかに含ませる、彼の名を呼ぶそれは、特別な想いも一緒に込めて――。
「ッ・・・、・・シュ・・」
「・・・?」
「・・ナッシュ・・・ん、ぁ・・!ナッシュ・・・ナッシュ・・」
「ッ・・・、そうやって・・何度だっておまえはオレを煽る・・、ん・・・?」
「、・・・っ・・ん、ナッシュ・・・っ・・す・・、・・ッ――」
「!・・・フッ、・・また・・・キスで塞がれて・・・何も言えなくさせられると思ったか?」