rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第7章 rain of fondnessⅢ
「・・・ん・・」
「、・・・・チッ・・」
「!!ぐ、・・・ぅ・・、ん・・」
好きの一言さえ言わせてもらえない――。
切なさに加えそう思った瞬間、名無しはナッシュに命令されたこととは裏腹に、窄め尺っていた唇の締め付けを、突如として中断させた。
貧弱になった口腔による襞寄せ、そして、その鈍った行為に対し、一番影響下にあったのは勿論ナッシュだ。
彼は名無しの頭部をおさえていた手に力を込めると、一度舌打ちながら強要も甚だしく、これ見よがしに自らの腕を動かした。
むせかけようと、苦しもうと、眉を顰めようと関係なく・・・。
喉の奥まで、そのなまあたたかい名無しの上の口に、熱く滾る自らの猛りをめいっぱい沈めた。
「むぅ・・・ンン!・・――・・・っ」
「ッく―――・・・ッん・・、・・・はァ――」
口の中で、ナッシュの怒張が大きく、そして力強く・・・更にはより硬くなったことを確かに感じる。
唇を緩ませた意味なんて、まるでなかったと思えるほどに。
猛烈な強制に驚きながら、名無しは思わず、自身の両手をナッシュの膝や腿に宛がわせた。
それは口淫から逃げようとした所作を試みた結果だったのだが、名無しはその無意味さを、起こった事実を以って思い知ることとなった。
「・・・ッ・・・んく、・・」
繰り返された、苦しかった抽送。
耐えたそののち、彼女の口腔にはナッシュの欲のかたまりが具現して、その口内をどろどろに汚した。
射精の瞬間、ナッシュの身体は震えを見せており、一度だけびくりとなったその姿はやけに色気を孕ませ、こめかみに光った汗はとても扇情的だった。
精液を数度に渡り打ち出した陽物、その絶頂が事切れたと同時に、名無しはようやく唇も、頭も解放された。
やり場に困った末、喉の奥に通してしまった体液半分。
そしてもう半分は、耐えられずにむせた結果、ナッシュの足元へと吐き出された。