rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第7章 rain of fondnessⅢ
「は、ぁ・・・んぐ・・」
「・・・ッ・・相変わらず、だな・・・。おまえ、本当に誰のも咥えてねえのか?」
「!・・・ナッシュ・・、っむ・・」
「ああ・・・冗談だ・・、フッ・・・おまえをからかうのは本当に楽しいな・・・――遊びのつもりがよ・・」
「・・・?・・・ッ・・!ぐ・・・」
「そら・・・休ませるかよ。もっと舌使え・・、ッ・・ぁ・・・ん・・」
最中、名無しの頭を掴んでいたナッシュの大きな手は、掴むこと自体は時折やめても、一度たりともそこから退けられることはなかった。
生白い頬にかかった髪を器用にはらい、自分の視界から、彼女の顔が見えなくなるのを同時に防いでいたからだ。
もう片方の手は自らの上半身を支える為ベンチに面しており、肘の微妙に反ったラインと、板の端を指折り、僅かにバランスをとる仕草がとてもいやらしかった。
「は、ぁ・・・ん・・」
ジョークを飛ばすナッシュにはまだ心から笑えない。
それは口淫に意識を向けていたことも理由のひとつだったし、もとよりそれを、彼が本当に冗談として言っていたのかも、名無しには分からなかった。
自分がこんなに淫乱だということを、身体の隅々まで知り尽くされていたのだ・・・。
本当にナッシュ以外の誰かと何かあるのかもしれないと、疑われるだけで切なかった。
切なくなるのも、恋心ゆえに――。
自分にはもう、彼だけなのだ。
そういう身体に、心にされていたというのに。