rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第46章 happy birthday :)))
「ん……私は帰るから…いいよ?みんなナッシュに会いたいんじゃない?」
「~ハァ…なんだそりゃ……?わざわざ会いてえわけねえだろ…どんだけ面あわせてると思ってんだよおまえ」
「え…?でも……」
「大体考えてもみりゃあ、オレはおまえから何も言われてねえよな。いつもと同じ過ぎて気付かなかったぜ」
「?……!!ひゃ…」
「まあオレも忘れてたわけだ…ついさっきまでな。おまえ分かってて昨夜此処に泊まったのかよ……言えよ…まったく」
「!……うん…まあ…、だって……そんな改まって…面と向かって言うの…その…――ッ、はずかしいよ……」
「ッ……」
コップにわざわざストローを挿し、口を窄めて少しずつジュースを飲みながら照れ隠し。
名無しは、隣で大きく足を開き、手づかみでカットしたトマトを持ち上げ、それを食べるナッシュの横顔をじっと見つめていた。
相変わらずスラッと伸びた鼻の高さが、自分の居る位置からだとよく分かる……。
前髪のかかった伏せた目はより切れ長に見え、見開けば見開いただけ、綺麗な緑の瞳が彼女のそれに映る。
トマトを持っていた指を舐め、次に手に取ったのは、そのときナッシュが所望していたアイスコーヒーのグラスだった。
無糖のそれ、けれどミルクが少量入っていたのは、名無しが少し欲しいと口にしたことに応じていたから。
ナッシュはこのとき小さく舌打ちをしていたが、それはお子様だな、とでも言いたげな、随分と愛嬌のある仕草だった。
「おまえなぁ……」
「あ……でも、かばんにはその…入ってるよ……ちゃんと。帰るまでには渡すつもりで……ナッシュ?」
「その気で来てて、何があいつらに会ってくれば?だ……クソが」
「ナッシュ…、ん!んん……ッ…、ちょ……コップ…危ない…急にどうし…」
「急に…?ハッ……したくなっただけだろうが…ほら舌出せ。ん……」
「っ…ふぁ、……ン…ッ」