rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第46章 happy birthday :)))
早い話が、ナッシュは自身の誕生日を失念していた。
男がわざわざ反応するのも気持ち悪いし、騒ぐようなことでもなかったというのが彼の言い分なのだろう。
チームメイトの記念日は多少なり祝うこともあったけれど、それは名無しと出会う前のことだった。
とはいえ時間を少し遡れば、名無しは自分の見たことのない新しい下着を身に着けていたし、ベッドの中でどこかよそよそしかったとも、今となっては言えたかもしれない。
下着を褒めれば耳まで赤くして、照れながら目を伏せた。
脱がすのを焦らしながら愛撫に走れば、それを嬉しそうに、そしてどこかもどかしげに身体をひくつかせていた。
極めつけは、自身に対する求愛行為とでも言おうか。
自主的にナッシュの上に乗り、腰を動かし、膣を窄め、ナッシュが好くなれるためのことをやり尽す。
途中、体位を変える抜き挿しの合間に顔を近付けてフェラをすれば、それがいつもより過激めいた愛撫だということも十分理解に容易かった。
「ナッシュ……、ン…あ……あっ」
「ああ……まったく…今日の主導権はどっちが握ってるか……なんざ、分かるよな?名無し」
「う…っ、…ナ……ッシュ…です…」
「ハッ……じゃあ犯すか…無理やり」
「!!や……」
「しょうがねえよなァ……おまえがそうされたそうな面で挑発するんだ……ノッてやるよ」
「挑発なんてしてな……」
「してるだろうが……違うとでも言いてえなら、おろしたての下着で煽るんじゃねえよ…」
「っ……」
自分に纏わる大事な日ということを思い出したナッシュの表情は、実に生き生きとしていた。
普段から誇らしげに、自尊心を持って佇んでいる様がより冴え渡る。
昨夜の名無しが積極的だったこともよく理解できたし、そう考えると、彼女の気持ちは普通に嬉しかった。
まあ、チームの連中と過ごして来い、という発言は多少苦々しく感じるものの、長い目で見れば可愛いものだ。
その可愛い可愛い、愛すべき彼女を、今この瞬間どうするべきか――。