rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第46章 happy birthday :)))
別にこういう日だからと言って、何かをしたいわけでも、何処かに出かけたいわけでもなかった。
特別な一日だということは分かっている。
ただ、そこに縛られて行動しているようでは、あまりらしくないなと思ったのが正直なところだ。
自分というより、相手である彼が――。
「……今日はいいの?」
「ああ?何がだよ」
「……みんなと出かけないのかなと思って…電話も何度か鳴ってたのに、全部出てないでしょ…?」
「…はぁ?……!あー…そういうことか」
日付なんてとっくに変わっていた。
たまたま前夜はナッシュの部屋に泊まっていて、いつもと変わらない日常を過ごした。
いつもと……たとえば食事をして、テレビを点ければ、実はまめにチェックしているプロの試合を共に見たり…。
夜が深くなれば風呂は気分で一緒に入り、ベッドの上では言わずもがな、それを揺らして愛し合った。
今はもう昼のことであり、名無しはナッシュの部屋のキッチンを借り、朝昼兼用の軽食を作っていた。
そしてローテーブルに二人分の皿を並べて、ソファでカジュアルに、ちょうど彼女の好きなオレンジジュースを口にしながら話していた内容がそれである。