rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第45章 undress yourself.
結局、名無しは口を閉ざすことはできず、ナッシュに釘をさしていた。
ただ肩でしていた呼吸を整え、抱き合いながら互いに落ち着くだけの時間のどこが、甘い事後と言えたものかと感じたのが小さな理由のひとつだ。
幸せでは勿論ある、当然のこと。
けれどこういうときだからこそ話せる、特別な会話もあった。
まあその内容はありきたりではあったし、結果的に名無しは墓穴を掘ったようなものだった。
が、その顔には何にも喩え難い、至極幸福そうな表情が滲んでいた。
ナッシュの上で彼の顔を覗き込み、会話の中で自然と交わされた触れるだけの口吸いさえ、存外いやらしく見えた。
「も…いいよその話は…っ恥ずかしいから……シャワー行こう?……ひゃっ」
「ああ…シャワーならオレも大歓迎だ……汗も掻いたしな……ん」
「ひゃんっ……、ね…行くなら抜……なんで抜かないの……?!また勃っ…」
「抜けば汚れるだろ?おまえの服も、オレの服も……ベッドもだ」
「う……」