rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第45章 undress yourself.
狭まっていた視野を広げるために一度上半身を起こそうとすると、名無しにそれを阻まれる。
ナッシュとしては、単純に乱れた彼女を上から下、くまなく見たいと思っただけだった。
けれど身体が離れるのを嫌がった彼女の本能的な食い止めはなかなかに強かで、ナッシュは少しばかり驚き、その意外さにはまばたきをする機さえ失っていた。
射精直前、胸への愛撫が止んだことへの不満でも込められていたのだろうか……。
改めて顔を見ると、そこには繋がっているというのにやはり不満気、されどしっかりといやらしく出来上がった表情。
タイツを破かれ、淫猥な格好のまま抱かれて最初は狼狽えていたくせに、いつのまにか躍起になっている。
そんな名無しから力ずくで上肢を離し、見下ろせば、より卑猥に淫れきった姿が息を切らして自分を求めているのだ。
抱きながら同時に身体を愛でるのに、胸や耳、首筋を舐められるのも彼女は大好きだった。
が、一番効果が大きいのは、やはりキス以外に例外はなかった。
それとあとは、滅多に口にしない言葉だ。
自分の好奇心から芽生えた悪ふざけに付き合わせた、せめてもの、といえば、手前は良いかもしれないけれど――。
「ん……――」
「っ…んん……は…」
穿たれた白濁が、自分の所有物にも等しい大切な存在に注がれてゆく。
その瞬間の口吸いは、ナッシュの陽物が脈打つのをやめても、暫く交わされた。