rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第45章 undress yourself.
「も……っ、ナッシュ…!!や……」
「フッ…。――……ん…」
一緒に居る時は精一杯、それでいて自然に着飾っていたと思う。
別にわざわざ、会うたびに服を新調するようなタイプでもなかったけれど、好きな人の為にコーディネートを考える名無しの女心を、ナッシュは素直に愛しく感じていた。
そんな名無しが装飾品に伝線を作っていれば、気にならないと言えば嘘になる。
透け感の綺麗なそれに、目立ちにくいながらも気付いてしまったのは、当然ナッシュが名無しをよく見ていたからだ。
「ちょっと…、ナ……ッ?!」
「ちゅ……」
「や……汚いよ…ッ、んっ……」
いつも綺麗にしていた名無しから「そうなって」しまった理由を訊き、納得した上で更に点いたスイッチ。
頭のなかで光ったひとつの思惑。
ちょうどいい……心の中でナッシュが囁いた第一声はそれだった。