rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第45章 undress yourself.
「さっき試合観てる時だよ…近くに子供が居たんだけど、通路に出ようとした時にぶつかっちゃってね。持ってたおもちゃが引っ掛かったんだよ」
「…へえ……なるほどな」
「……よく気付いたね。もう……恥ずかしいな…」
「よく?ハッ……まるでオレがおまえの足をジロジロ見てた……みてえな言い草だな」
「だって……」
「まあ間違ってもねえか」
「え……ッ?!」
点いた火は沸点に達さない限り消えてなくならない。
簡単な話だ、達すれば易々と消える……筈である。
ナッシュは名無しに背後から近付くと、目についた原因に手を伸ばし、強かにそれを見つめ指を添えた。
それは、彼女の穿いていた薄手のタイツに出来た、一本の綻びだった。
「ん…?ああ、目の前に好い足があるな……とは思ったからな、たった今」