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rain of fondness【黒バス/ナッシュ】

第45章 undress yourself.



「……ッ…、もう…バカ……」


シュートを決めに来たナッシュが、ボールが吸い込まれてゆく様を見届けないまま背を向ける。

当然そのシュートは入っているという確信があるからこそできるプレイだろう……様になりすぎている姿は腹立たしいほど格好がついていた。

名無しが独り言を囁きながら顔を赤らめたのは、守備に入るために敵陣のゴール下から離れてゆくナッシュが、一瞬こちらに視線を送ってきたからだった。
顔はあくまで真面目、パフォーマンスに走る為に集中しているくせに……。

目が合った瞬間にその目元が細まって、零されたニヒルな笑みに胸がトクンと脈打ったのは気のせいじゃなかった。




「フッ……照れてやがる…可愛いヤツ」




ナッシュもまた、スティールに成功した味方から再びボールを回してもらいつつ、唇の動きが目立たないようにしてひとり囁く。

この日、ナッシュが自身の持つテクニックを余すことなく魅せてコートに立っていたのは、試合後のお楽しみがあったからだ。


「オレもバカのうちか……躍ってやがる。ハハ……ッ」


高鳴る胸に再び漏らす嘲笑まじりの独り言。

ナッシュがのちに合流した名無しと向かった先は、彼女の部屋だった。


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