第45章 undress yourself.

たまの気まぐれで試合を観に行くと、自分はまだまだ彼のことを知らないのだなぁと思う。

生で観戦する機会も頻度もそう高くはなかったし、だから知らなくて当然ではあったのだ、別に何かを気負う必要も勿論ない。




「……！」




その日のゲームは、名無しの家に比較的近い場所にあるコートで行われていた。

絶好の機、天気にも恵まれていたし、まあ見に行かない手はなかった。


チームメイトに面が割れないよう、名無しは後列で一人、ひっそりと観戦している。

その日簡略的に決めていたルールは通常のゲームと同じ試合時間、最終クオーターで彼女が思わずコートから目を背けたのには、小さな理由があった。