rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第44章 breakfast is...
「ナッシュ……んっ」
「耳……赤いぜ?そんなに嬉しいかよ」
「ッ……、あ……」
「心配すんな……朝っぱらから上で暴れてみせろなんて言わねえよ。オレが突いてやる――ん……ッ」
「――……ッ」
食まれた耳に伸びた舌がいやらしい。
首に触れるだけのキスがもどかしくなって、ねっとりとしたものを段々と所望してしまうことも知られている。
ナッシュは名無しの細首に甘く噛み付きながら、耳の奥に囁きを零し、その声で彼女の身体がひくつくのを間近で見つめ楽しんでいた。
鳥肌が浮かんでいる肌を目視できれば、自ずと下半身にも潤いが満ちる。
挿入もワケないことを知っての行為だ――。
「や……ぁ、ア……あつ…、奥……だめッ」
「ダメ……?本音か?」
「ッ……」
「……抜いていいんだな?名無し――」
「、…――……や…だめ、……抜いちゃダメ…!ナッシュ……ッ」
「――……フッ」
なまなましく軋むベッドのスプリング。
マットは小刻みに揺れ、ケットは半分が落ち床に擦れている。
名無しは程なくしてナッシュの侵入をゆるし、その侵入も、思いのほか簡単に成されていた。
それだけ一瞬にして甘露を滴らせていたということであり、二人の身体の交わりに合わせ、内腿に垂れた蜜は、卑猥にナッシュの汗と混ざっていた。
彼を受け入れ、つま先から頭まで甘やかな雰囲気を纏ってしまった名無しがその後まともに起き上がったのは、無論、自身も絶頂を味わってからのことだった。
二人にとっての朝食はこのあとのことを表しているのか、それとも今の状態を互いにそう暗喩していたのか……恐らくは、考えるまでもないことだろう――。
20190208UP.