rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第44章 breakfast is...
ナッシュが朝から皮肉を垂れてくる理由を名無しは分かっていた。
まあよくある話……昨夜散々愛されていたからだ。
ベッドはよく軋み、比例するかのように嬌声も出さされる。
馬乗りされたかと思えば、たまにはおまえが暴れてみろ、などと甘い声で誑かされて、勢いに任せて彼の上で腰を振った。
陰部に流れ込んでくるナッシュの体液に身体をひくひくと強張らせ、愛しい胸元に飛び込んだ矢先、膣内で再び彼が膨張してゆくのも感じ取った。
いつ終わるのか?いつ眠るのか?
素直に聞いてみても、ナッシュはただ、さあ?とせせら笑って返すだけで、名無しの望むこたえを口にすることはなかった。
「ナッシュは……ん、……もう起きる?何か食べ……ッ、……」
「チュ……」
「……っ、ちょ……ん…」
「ハ……そりゃ腹も減ってるさ……けど朝だぜ?オレがどうしてえかくらい分かるだろうが」
「っ…分かるけど……!でも、……あッ…」
「おまえもイキてえよな?顔に書いてある」
「!!……かいてないっ」
時間を気にせずに眠れる夜はいつだって最高だった。
誰にも縛られない、携帯のアラームを設定する必要もない。
ナッシュの傍で、彼のベッドで愛されて、好きなだけ腕を伸ばして甘えられた。
翌朝の代償が何であるかも知っているのだ……今だって例外じゃなかったし、名無しにはじゅうぶん読めた未来だった筈だろう。
それなのに毎回目を見開かせてナッシュの言動に驚いて、何も纏わないありのままの姿に口付けられ、素直に反応する。
寝返った背後からのきつい抱擁を朝から浴びれば、腰に感じる彼の怒張が、自分に入りたそうに熱を持っていた。