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rain of fondness【黒バス/ナッシュ】

第43章 powder snow



「!……ちょっと降ってきちゃった…ナッシュが変なコト言うから……」

「ハッ……言ってろ。オレよりシルバーの方が雨男だぜ。……名無し?」

「……寒いね。――はやくベッドに入りたい…」

「、……入るだけでいいんだな?」

「ッ……も…」


カップに唇を近付ける名無しは、それを少し尖らせながらナッシュと話していた。

その一見ふくれっ面のような仕草は、実際はただの照れ隠しも含んでいたことなど当然知られているだろう。

互いにサイズの違うカップ、ナッシュの手元をふと見れば、それがラージサイズだということも忘れてしまうほど彼の手は大きい。

太ましくいて繊細な指、ケアの行き届いた爪には艶すら乗っているように見え、骨ばった甲が少し寒さで赤らんでいたのがこのときは印象によく残った。




「ハハ……。オレも早く抱きてえよ……これで満足か?」

「っ……」


考えてしまうのは、早く部屋に行きたいということ。
到着したら着替えて、風呂であたたまって、ベッドの中で幸福を感じたい。

同じ気持ちでいてくれれば……そう願って、ナッシュもやはりそう思ってくれていたことが何より嬉しかった。

憎まれ口だって愛おしい。
意地悪を紡いでも、そこには確かに甘い蜜が滴っているのだから。


部屋に着くまではあともう少し。
冬特有の澄んだ青空は見れなかったけれど、曇りがかったそこから降り注ぎ始めた白い雪も悪くはないと、二人は胸のうち感じていた。



20181231UP.
merry xmas n hapu new ya!!

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