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rain of fondness【黒バス/ナッシュ】

第41章 tryst in a...




「ナッシュ……だって…折角…」

「ハッ……散々行くなっつって、泣きそうなカオしておまえがオレを誘ったんだろう?いや……煽ったの間違いか?」

「ッ……」




部屋から出ないということは、彼らにとっての意味合いはただひとつだ。
シルバーが恨めしそうに、何を自分だけ甘い蜜を吸おうとしているのかと怒り声を上げていたのが、携帯と、部屋の外の双方から聞こえる。
名無しは驚きながらも、同時に少し微笑みもした。

外に居るメンバーに対し、鼻で笑いながら無理やり終話し、着替えたばかりの服に手を伸ばす。
通話を切ったナッシュはといえば、もはや今は不要になったその携帯の電源を落とすと、元々置き忘れていたところへと再び投げやった。


「責任は取ってもらうぜ……ああ…また勃ってきやがった……フッ」

「ナ……、ッ……」

「なァ名無し?……さっきの続きだ…――してえ…」

「!あ……んんっ」


ソファへと携帯を投げ置く為、捻らせていた上半身をまっすぐに戻す。

するとナッシュは、名無しを捉えるためにすかさず身体を倒し、彼女の両腕を取った。


「ッ……マネ…しないで…よ…、っ!ん…、ぁ…」

「ハッ……自覚あったのか…」

「う……!は、ぁ…ン」

「あんな声で抱いてなんて言われりゃあ…抱かねえ手はねえんだよ……ん――」


ベッドの四方には、あっという間に新たな皺が出来ている。

名無し一人が寝そべっていたときよりも、心なしかシーツのかさつく音は大きく聞こえた。


近付けられたナッシュの顔、触れた彼の薄い唇はみずみずしさが残っており、それが割れて漏れ出た卑猥な物言いは、名無しの全身を何度だって疼かせた――。




20180730UP.

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