rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第41章 tryst in a...
「用が出来たつってんだ……おまえらだけで行ってこいよ」
「……ッ」
「あァ?バカか……部屋から出ねえ時点で察したらどうだ?ああ……、ああ。まあそのうちな……じゃあ切るぜ――」
何度経験しても胸が躍り、高鳴り、どこまでも高揚心を擽られる。
たとえ満たされたて、事後であろうとも。
ナッシュに組み敷かれる瞬間だけは、これから抱かれるんだなと思わせられ、自分が既にどんなに淫らだったとしてもやけに純情を演じたくなった。
「……フゥ…」
ナッシュは名無しの上に跨ると、押し倒した体勢から自分だけ一度上半身を起こし、膝立ちで耳元に携帯を宛がった。
低い声でシルバーに告げられていたのは、名無しが望んでいた言葉だ。
相変わらず大きな声で、部屋の外からも聞こえてくるシルバーのそれはとても騒々しく感じた。
けれど彼の発言より何より、名無しが気にしたのはナッシュの発言だった。
頭の回転が速くなくとも、迎えに来ていたシルバー達にもきっと伝わっていただろう。
今、ナッシュが部屋にこもってしまったそのわけを……。