rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第41章 tryst in a...
「ッ……ハ、…ナッシュ……――」
「…――……、ん…、……?」
陰部がきゅんきゅんと反応している。
内腿には一本の筋が流れている感触を覚え、それが何かなどは、考えるまでもなかったこと。
ナッシュの律動による熱量の影響で自らも暑さを被り、名無しは、今は鏡の温度がひどく心地好いと感じていた。
「……行、…の…?」
「!………ハァ…――」
部屋の外では、太ましい声色の持ち主が、まだなお会話を続けている。
当然内容を聞き入れるつもりは未だに無かった。
が、ナッシュが応答がないことを流石に不審に感じたのだろうか、おそらくは、シルバーがナッシュの携帯を鳴らそうとしていることがなんとなくわかった。
そのナッシュの携帯はというと、ソファの座面に、それもマナーモードの状態で置かれている。
これから出かけるつもりでいたというのに、彼は珍しく、らしくもなく衣服のポケットに、それを入れ損じていた。
二人は部屋の奥から振動音がしていることに気付き、行為の余韻を仕方なく断つときが来たことを、自ずと察していた。