rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第41章 tryst in a...
「!だめ……ナ…――!!」
「ん……ァ…ッ――」
何の防音設備もないただの扉一枚。
そこを隔て、しかもその一枚のすぐ傍に居る自分たちの気配を消すことなど、可能とは思えなかった。
黙れと言われ、勿論そのつもりでいようと名無しは気持ちを切り替える。
けれど繋がって成されていた快楽は消えないどころか、逆に増しているような気さえ起き、膣の疼きは何をしても止められなかった。
「――……ッ」
「……」
扉の前までもう着いたのであろう、シルバーの話し声が少し前よりも鮮明となる。
が、認識したく無さゆえか、会話までは理解できなかった。
とろけた脳内と身体の状態で名無しに把握できたのは、外に居るシルバーか、もう一人の誰かが、ナッシュの部屋のベルを鳴らしたことだけだった。
そしてそれが鳴り響いた数秒後に、体内に流れ込むものを名無しは一人感じていた。
無我夢中、不安がっていた名無しにも、外のことなどにも気にも留めぬまま、ナッシュが激しく抽送し続けた果てのそれは証だった。