rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第41章 tryst in a...
「!!ッ…ナッシュ……ナッシュ…は、ァ……ッや…」
「そうら…みっともねえ格好だな…フフ…ッ。うっかり声出すなよ?」
「!……ッ…あ…」
「ハハ……はしたねえな…けど、マジでやめろ……出させたくなっちまう」
「んん!……ンッ…」
ひんやりとした姿見の表面には、露わとなっていた白い肌があたり、字の如くひんやりと名無しを震え上がらせる。
瞬間的な冷たさに鳥肌が浮くも束の間、それを掻き消すのはナッシュの律動と彼自身の熱だった。
持参し、履いていたルームシューズの片方が脱げて床に転がり落ちると、該当する名無しの足は、つま先が早くもぴんと尖っている。
侵入してきたナッシュへの対応に、身体がまだ完全には追い付いていないということだろう…。
ただ快感を捩じ込まれているだけの状態だった今、名無しに可能だった、声を殺すかわりの唯一の抵抗だと彼は思った。
「ん……っ…ん…」
「……!…ハッ」
ふいに一瞬、鏡に映る、名無しに対しとろけそうな表情を浮かべていた自分と目が合う。
こんな面をして抱いているのかと思うと、今度はこちらが面白さゆえに高笑いを漏らしてしまいそうだと、ナッシュは自身の溺れ具合を痛感しながら、腰を突き上げ続けた。
そして、声を出すなと言った忠告に双方重みを感じる瞬間が、その後予想どおり訪れた。