rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第41章 tryst in a...
「……」
試合を終え、そろそろ戻ってくるであろうナッシュを待つ。
それなりに広い部屋。
寝返りを何度打っても落ちようもない大きなベッド。
「……はぁ」
ずっと一緒にいられることになったなか、そこに生じた、今のような会えない隙間の時間に、名無しはひとりどうしようもない寂しさを感じていた。
つまるところ早く帰って来てほしかったし、皺ひとつなかったシーツを共に乱したいという、大胆で淫靡な欲に駆られる。
日に日にそんなことばかり考えるようになった自分に嘲笑を零しつつ、名無しは枕の端をきゅっと握りしめていた。
「……!」
唇を尖らせ、いじけた表情を本格的に見せる。
が、同時にカードキーが挿され、部屋の扉が開く音が聞こえると、名無しの顔色は途端に明るくなった。
ナッシュが戻ったそれはちょうど、夕刻の出来事だった。