rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第41章 tryst in a...
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『いってらっしゃい…帰る頃に、またここに来……』
『ハァ…?寝言か?おまえも来るんだよ』
『……え…?!』
ナッシュのチームがどこまで知名度があり、どこまで人々を虜にしているかなど、元々名無しには興味のなかったことだった。
自分も流石に存在自体は知ってはいた……けれど、良い印象などひとつもあるはずもなかった。
ましてや、あんな出会いだったのだから尚更だ。
当時のことを懐かしく感じながら、今はすっかり落ちており、週の殆どを彼の部屋で過ごしている…。
それもまた笑い話にできたのは、順風も甚だしく、ナッシュと相愛だったからだろう。
「……ナッシュ…」
チームが遠出することは時々あった。
そのたびに名無しはいつもナッシュを送り出し、彼が地元に戻れば連絡を受け、そのままあたたかく迎えていたのがパターンだ。
切り出された今回も通常通り、当日はいってらっしゃいの言葉とともに玄関先でキスをして、静かに見送ろう…。
そのつもりでいたのだけれど……。
『だって……一緒には…』
『ああ…あとでメールしといてやる。場所と、部屋の番号だ』
『ッ……』
『……二、三日なんざいつものことだが……たまにはついて来い。違うベッドで寝るのも悪くねえだろ』
『…っ……もう…、……わかった…』
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