第40章 69

「―――ッんぐ…、んん……」

「ハッ……また達ったのか…。……ン」

「！……も…ナッシュ……」

「ああ……もう少し待ってろ…後でたっぷり突いてやるよ……ん」

「ッ……」


身体の上下を違えてナッシュに跨り、数度に渡って感じさせられた絶頂は格別だった。
それはそれは、彼のものを同時に咥える余裕などないほどに……。

口含んだ時、少しの味覚を舌が察し、ナッシュも興奮していることは十分に伝わっていた。
だから同じように、自分も彼をより好くしてあげたい……名無しがそう思ったのも当然だろう。

懸命に勃起した陽物めがけ、快感に耐えながら口元を宛がってみせる。
が、ナッシュは彼女の何枚もうわ手であり、決して精神的に優位な立場を譲ろうとはしなかった。
その名を銘打った行為でも、彼にとっては咥えてもらうことなど二の次なのだ。

いつだって相互愛撫を前に、名無しはナッシュの上に居ながらにして溺れさせられていた。