rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第40章 69
「……っ…も、やだ……ナッシュ…ぁ、ん…」
「……」
「――っ……挿れて欲しいよ…ぅ…ナッシュ…」
「!ッ……、チッ…」
舌で陰部を舐られるのは大好きだ。
わざと被虐を浴びるかのように、唇で襞を挟まれ、甘噛みされるのも嫌じゃなかった。
興奮すれば、覆うものを捲らずともぷくりと膨らむ性感帯。
そこを愛でられれば一瞬で夢だって見られたし、ナッシュに愛されている実感は痛いほど伝わった。
「……あ…」
「まったく嫌になるぜ……自分が」
「…え……?っあ……!!ひ…」
「待てっつっても待てねえ……躾がなってねえよなァ。おまえも、オレも……――」
ナッシュが喉を鳴らし飲み干していたのは、無論言うまでもないものだった。
無性に渇きを覚え、それ欲しさに彼女を跨らせていたのだから。
名無しの下半身を愛撫することはナッシュにとって楽しさを見出していた行為であり、どうせなら同時に愛し合いたいと思った結果が相互のそれだ。
別に自分はどんなに昂ぶって、どんなに陽物を怒張させようとも我慢することなど容易かったし、限界が来るまで何度だって名無しを濡らす自信もあった。
そうやって描いたナッシュのビジョンを一瞬で崩し、霞ませるのは、自然と口漏らす彼女の甘い声色ただひとつ。
ただ甘いだけじゃない……その機に言われればこちらが間違いなく折れるしかない、実に巧みで、甘美なる言葉――。