rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第39章 I'm full.
「ん、……ん…っ…チュ……」
触れた瞬間はとてもあたたかいと思った。
硬さとやわらかさ、両方をあわせ持つ奇妙な感触だ。
もう何度も見ていたし、手にも口にもしていたけれど、相変わらず新鮮に感じるのは、きっとナッシュが起きなかった所為。
名無しは先端に何度もキスをすると、やがてゆっくりと口を開け、全体を含みそれを愛でた。
「は、ん……む…」
「ッ……、ん…」
口淫は好きだ。
だから自らこうして動いてしまっていたのだろう。
けれど、いつまでもナッシュが目を覚まさないわけがなかった。
名無しの見立てではせいぜい一、二分もすれば、彼は起きると思った。
その一、二分で何が出来るかと言えば、当然、ただ口淫を繰り返し、陽物を興奮させ、唾液で艶めかせるくらいだろうか。
額に手をあてがい、朝独特の眩しさから逃れる様に顔を覆う。
ナッシュは小さく声を漏らしながら、自らに異変があったことを睡眠の中で感じているようだった。
そうして片方の膝を曲げ、足先が一度ぴくんとなると、名無しの視界に入っていたナッシュの腰と腸腰筋が露骨に動く。
それは竿の裏筋に舌をつけ、上下させながら舐っていたときのことだった。