rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第39章 I'm full.
「ん……」
「ナッシュ……?起きて……?」
名無しには思い描いていた絵図があった。
夕方までの時間、適当に何か食べ、適当に戯れ、適当な時間に彼を見送る…。
そして数時間今度は帰りを待って、その後はまた適当に戯れて、自然と眠りにつくというものだ。
ナッシュの部屋で会う時はありがちな型だった。
だから今日も、早朝からではあったけれど頃合迫る際に彼を起こし、何か食べるところから始められれば…と思っていた。
イレギュラーというのはよく起こるものだ……しかも自分自身に。
ゆえに名無しは早速、その絵図を別の色で自ら塗り潰す結果になっていた。
「ん……、すぅ…」
「ッ……、ナッシュの…所為なんだから…」
たかだか少し足が見えていたくらいで、その生白い肌に欲情したなどと知られれば、きっと数日はことあるごとに話のネタにされるだろう。
名無しの考えはあとで必ずナッシュにばれる……分かっていたから動じたくなかったのに、自分にうそはつけなかった。