rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第37章 his affection to lover
「おい・・、ん・・・ちゅ」
「!っ、んん・・・」
放心していた名無しの身を、太くあり、また華奢にも見えるその左腕で支える。
右手で触れたのは、顔のラインにぺたりと付いていた繊細な髪だ。
ナッシュは一言、小さく愛嬌を含んだ文句を囁きながらキスをねだり、しっとりとした彼女のそこをしばらく口吸った。
名無しがまともな言葉を喉から漏らしたのは、その甘いキスが終わったあとのことだった。
「はぁ・・・ッ。――ね・・ナッシュ・・・」
「ん・・?」
「っ――・・まだ・・・あるの・・?」
「!・・・」
離れたくなさげだった唇が、引き合った頭に続き、時間差で繋がりを解いてゆく。
脈の切れた陽物も、そこでようやく膣から出されていた。
ナッシュは、事後もぎゅっとしがみついてくる名無しの髪を何度も撫でながら、また自分が少し、驚愕の表情を出してしまったことに軽く動揺した。
この短時間のあいだに何度も目を見開く事態に陥っていたことが、彼の調子をほんのりと崩してゆく。
いつの日だったか、この同じ浴室で、ボディソープを身体に馴染ませながら口にした冗談があった。
そのとき話した形容と実際の入手の仕方は異なっていたけれど、今となっては行為が終わって、名無しは身体で好さを憶えた。
身を震わせてひとつになって、今まで抱いたことのない快感を知る。
最後には恥じらいを残しつつも、まだねだる始末だ。